2020年から連載されている漫画。
あらすじ
アイスダンスの全日本選手権に出場経験を持つ明浦路 司は、アイスショーの就職先が決まらないでいた。司はスケートを始めたのが高校に入ってからと極めて遅く、コーチを受けたのは20歳になってから……という異色の経歴を持っていた。そんな折、かつてのアイスダンスのパートナー・高峰 瞳から、自身が主催するスケートクラブ『ルクス東山FSC』のコーチを打診される。コーチになることに乗り気でなかった司だったが、そこで先日スケート場に無銭入場していた小学5年生の少女・結束 いのりと再会する。いのりの母親は「いのりにスケートを諦めさせよう」としていたが、いのりの秘めたる才能と溢れる情熱を目の当たりにした司は、「いのりを全国レベルの選手にして見せる」と宣言して、母親の反対を押し切る形でレッスンを始めることになる。
wikiより抜粋
ストーリーは、主人公である小学5年の少女いのりが、スケートを学びながらライバルとなる少女と出会い競い成長していく、ありきたりといえばありきたりな話です。
ですが、面白い。
スケート競技を知らなくても面白いです。
スケート競技なので当然ですが試合があるのです。
その試合に出るための条件となる試験が存在する。
その試験内容もきちんと説明がはいっており分かりやすい。
スケート競技の試合を絵にするのはとても難しいです。
スケート漫画としてプラチナエッジという漫画がありますが、あちらはキラキラした幻想的な絵にする事でスケートを表現していました。
幻想的に仕上げている分、スケートで滑っている絵としてはダイナミックに仕上がっていて素晴らしいのです。
ですが、実際にはそんな風にスケートは見えない。
ここがネックでした。
本作メダリストは幻想的な絵で盛っている事はしていません。
その分スケートの内容より、主人公と周りの関係性としてのドラマに焦点を当てています。
そして、試合では徹底的にリアルに寄り添った点数や試合展開があります。
冬のテレビで放映される世界大会を見たら100点を超えるのが当たり前だと思いがちですが、小学生でジャンプも一回だけで10点代だ当たり前というのはこの作品を読むまで想像していませんでした。
実在しているスケーターで宮原知子さんは京都出身。
作中で京都が強いとの土台にも説得力があります。
そして、1番力が入っているのはなによりも主人公いのりです。
作者が声優春瀬なつみの大ファンであり、彼女にいのり役として声優をしてもらう事を最大の目標として設定している事。
ここで、Dr.マシリトの最強漫画術という書籍に説明を移します。
Dr.マシリトは鳥山明作品のDr.スランプに出てくる敵キャラクターの名前です。
その元ネタとなる人は実在しているジャンプ編集部の鳥山明の担当をしていた人。
そんな人が漫画編集者としての目線からドラゴンボールの魅力を語る書籍です。
その書籍の中に、主人公が魅力的である事はもちろん大前提として必須である。
そこにその主人公の魅力を発揮させる世界、敵、味方、ストーリーがある。
全ては主人公の魅力を引き出すためであると書かれています。
コレこそが売れる漫画の法則である。
そこで、メダリストのいのりはどうかと見てみると。
間違いなくこの法則に則ってキャラクター設定、敵、味方、舞台、ストーリーがある。
漫画のお手本とも言える作品になっているのです。
主人公はいのりと書きましたが、訂正いたします。
真の主人公は声優である春瀬なつみです。
彼女の魅力を伝えるために主人公いのりが存在し、さらにその魅力を伝えるためにスケートがありライバルたちが存在している。
そして、漫画では声はありません。
真の主人公不在で魅力的な漫画になっているのです。
その真の主人公である声優さんが登場するのはアニメです。
アニメ化も無事にしているため、見ないわけにはいきません。
一期は見逃しましたが、二期からは見てみます。
ストーリーは凡庸なので一期を見逃しても大丈夫だとは思います。
また、二期が始まってから感想を書きたい作品です。
そんなことで漫画メダリストは面白い作品である。
完結はしていないので点数はまだ付けないですが、続きは読んでいき最後まで見届けたいですね。