書籍関係

地球最後の日

1933年に発表されたSF小説。

2025年現在ではディープインパクトの原作と言えば分かる人には分かる作品である。

点数は83点

題名の通り地球が滅びる事になります。

原因は彗星のように飛んでくる惑星と衝突するため。

映画ディープインパクトと同じプロットです。

しかし、映画では地球は壊れませんが原作ではちゃんと壊れます。

古き良きSFと言えばよいのでしょうか。

科学的にあり得る論理的な展開が魅力的であるのと同時に、ファンタジーに慣れた人には堅苦しい感じがします。

また、世界の情勢は2025年現在と異なる部分があります。

1930年代で考えられていた世界とはどのような物かを知ることが出来ます。

日本人の秘書というか召使が登場したのはビックリしました。

この頃は日本が今のように発展するなんて考えられなかったのでしょうね。

それでも、親日と言うのは言い過ぎかもしれませんが。

良き隣人としては見られていたのかとも知れるのは面白いポイントです。

日本の代表とするSF小説で日本沈没があります。

それでは日本が沈没する工程が物凄い描写で描かれていました。

1973年に発表された日本沈没にも劣らない描写で惑星が接近したら地球の環境への影響がどのようになるのか。

衝突する事が分かっていて脱出するために当時としても最新のロケットがどのように作られるのか。

最近では当たり前に登場する原子炉をエンジンにするために必要なパーツの作成工程は必見。

未来なら原子炉で宇宙船が飛ぶというのはよくあるSF設定だと考えているけれど、1930年代にはそんな当たりまえの設定が少なかった。

その発想力には脱帽するしかない。

個人的にはロケット内部の描写も科学的にはこうなるのかと驚かされました。

ついつい紙飛行機のように真っ直ぐに動くと考えていましたが、本作品ではロケットは回転しながら飛びます。

そうする事で回転から遠心力が発生し擬似重力としているんです。

予備知識がなかったらロケット内部でのやり取りが謎になります。

予備知識が必要になるのが欠点ではありますが、ディープインパクトやアルマゲドンが好きな人は一読したら良いとオススメできます。

そのため、83点としています。