2010年公開されたSF映画です。
点数は89点
あらすじ
他人の夢からアイデアを盗み出す企業スパイ・コブは、その才能から国際指名手配を受け、さらに妻の殺害容疑もかけられていた。そんなある日、サイトーと名乗る男が、彼に風変わりな依頼を持ちかける。それは、コブが得意とするアイデアの盗み出しではなく、ターゲットの潜在意識にアイデアを植えつける「インセプション」というものだった。
コブは他人の夢に入り込んで無意識に潜む情報を盗む仕事をしています。
作中でコブは仕事を引退して家族の待つ家に帰りたいという願いから、最後となる仕事にとりかかる。
その仕事とは、とある企業の社長が死にかけている、その会社を引き継ぐ後継者であるロバートに会社を壊すように暗示をかける事でした。
それを成功させるために仲間を集め。
ターゲットであるロバートの夢に潜入し、見事にやり遂げます。
そうして最後には家族の待つ家へと帰ってハッピーエンドとなる。
訳ですが、その最後には謎が残されています。
この謎こそが実はコブが元々夢の中の住人であり、現実へ戻っていない可能性です。
その可能性として示唆されるのがトーテムと呼ばれるアイテム。
このトーテムにより自分が夢の中に居るのか、現実に戻っているのかを確かめているのです。
コブのトーテムはコマであり、回り続けるならば夢の中、止まるならば現実である。
しかし、物語最後にはコマは止まる事なく回り続けるところで終わります。
また、夢の中である事を示唆する出来事として他人の夢にコブの夢が反映されている。
コブの都合よく仲間が現れる。
とくにサイトーですね。
彼が行く先行く先に回り込んでいるかのように登場します。
これは後にロバートの夢の中でも敵が先回りする事で仲間が窮地に陥る事にも繋がります。
そして、妻モルの存在。
彼女は作中で自殺しているとコブは信じています。
しかし、コブとモルは夢の中に50年住んでいた事がありお互いに現実と夢の区別がつかない状態にまでなっている。
そして、夢から覚めるためには自殺するなどが必要であるためモルはコブと共に自殺し夢から目覚める事を希望していました。
モブは夢からすでに目覚めていると信じているためにモルの自殺を見送る事をしかしていません。
それからモブが作中で死ぬ事はなく、夢の中である可能性も残されている状態。
さらに、子供たちの変化がおかしい。
作中でモブが子供から離れた後に何年過ぎているのかは描写されていません。
しかし、経過時間が見た目として反映されていないように見えます。
以上より、今作は全て夢に入り込む事が可能になった世界では現実よりも夢の中である事を選ぶ。
そのような世界観を元にしたSFであると考えています。
作中でロバートに暗示をかけるために夢を創造するシーンがありますが衝撃的な天地創造を映像として描いている。
このように世界を創造出来るならば、そこから人は抜け出せない可能性がありますね。
以上より89点です。