初代ゴジラを観た感想
目次
80点の評価
公開当時のゴジラの素晴らしさや、ゴジラが何を象徴していたのかは私には分かりませんでした。平成のゴジラシリーズやシン・ゴジラ、ゴジラ-1.0、アメリカ版ゴジラを見てきたため、古臭い初代ゴジラを観る必要はないと思い込んでいました。
しかし、観終わった後には観てよかったと心の底から思いました。それでも80点の評価にとどまる理由は何でしょうか?
理由1: 古さ
やはり古いというのが一つの理由です。ゴジラを知らない人が初代を見ても楽しめるかは不透明です。そのため、最低限の前準備としてシン・ゴジラとゴジラ-1.0を観てから初代を観ることを推奨します。または、逆に初代ゴジラを観た後にシン・ゴジラとゴジラ-1.0を観ることをお勧めします。
理由2: ストーリーのリスペクト
初代ゴジラのストーリーをリスペクトして制作されているのがシン・ゴジラとゴジラ-1.0だからです。相互に観ることで作品の楽しみが増えます。
まず、ゴジラの出現、街の破壊、ゴジラ討伐という3幕構成は同じです。しかし、舞台が戦後復興後の日本、現代、戦後復興前と異なり、それぞれがリスペクトを込めて描かれています。例えば、ゴジラ-1.0のゴジラ登場シーンや、シン・ゴジラでの初代ゴジラへのリスペクトが感じられる進化した表現などが挙げられます。
理由3: 映像表現
シン・ゴジラもゴジラ-1.0も最新技術によるCGを使った派手な演出があります。それに対して初代ゴジラは特撮初期の作品で、今では古めかしい着ぐるみや背景合成などが用いられています。しかし、それでも色褪せない迫力があり、ゴジラの怖さや恐ろしさが伝わってきます。特に、ゴジラの吐き出す炎は初代では静かに建物を溶解させる恐怖を演出しており、これが一つの魅力となっています。
この初代ゴジラの吐く炎に関しては宮部みゆき作品である荒神を読まれるとより理解が進むかと思います。
キャラクターと登場人物
主人公たちの立場や背景も興味深い点です。初代ゴジラの主人公はサルベージ会社の経営者であり、ゴジラを倒す兵器を開発する科学者が登場します。ゴジラ-1.0ではこれらのキャラクターがリスペクトされています。一方、シン・ゴジラでは政府視点で物語が進行する点が新鮮ですがシン・ゴジラは政府の会議シーンが退屈で寝てしまったため退屈になりやすい点が注意です。
結論
初代ゴジラを観た後にはシン・ゴジラとゴジラ-1.0を観ることをお勧めします。また、シン・ゴジラを観たなら初代ゴジラとゴジラ-1.0を観ること、ゴジラ-1.0を観たなら初代ゴジラとシン・ゴジラを観ることをお勧めします。それぞれ単品では80点ですが、比較してそれぞれの良さを発見することで面白さがパワーアップし、120点になるでしょう。
結末の違い
ここからはネタバレを含みます。
この結末の違いがそれぞれのゴジラの良さを引き立てる最大のポイントですので別途捕捉しておきます。
まず、初代ゴジラは良い面と悲しい面があり、ハッピーエンドでもありバッドエンドでもある。
シン・ゴジラは絶望が残るバッドエンド寄りの結末。
ゴジラ-1.0はハッピーエンドに寄っています。
ゴジラ-1.0の倒し方は初代のリスペクトとしてオキシジェンデストロイヤーを彷彿させる倒し方である。
ですが、初代ゴジラは開発者の命を生贄にゴジラを倒す。
これがバッドエンドのようにも見えてしまいます。
また、シン・ゴジラではひたすらゴジラを封印し続けていく必要があり。
希望があるようで絶望が待ち受けているようなバッドエンドに見える。
ゴジラ-1.0は初代を踏襲しながらもゴジラを倒し、犠牲無しのハッピーエンドを迎えています。
リスペクトしカッコよく進化させるシン・ゴジラ
リスペクトにオマージュを含みつつも元には無いハッピーエンドを演出したゴジラ-1.0
これらを比較しどのゴジラが良いかを考えてみてはいかがでしょうか?