星を継ぐもの(ジェイムズPホーガン)
ジェイムズ・P・ホーガン著のSF小説『星を継ぐもの』をご紹介します。
点数は89点です。
あらすじ
Amazonより引用:
月面調査員が、真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体はなんと死後5万年を経過していることが判明する。果たして現生人類とのつながりは、いかなるものなのか? 一方、木星の衛星ガニメデでは、地球のものではない宇宙船の残骸が発見された……。ハードSFの巨星が一世を風靡したデビュー作。
感想
2024年現在、月への民間旅行はまだ実現していませんし、月に基地を建設することも遠い未来の話です。しかし、この小説の舞台では、月に基地があり、さらに木星まで探索が可能になった未来の世界が描かれています。
物語は、月面で5万年前の人類の遺体が発見されるところから始まります。この謎を解明するために、世界中から集められた専門家たちが推理と調査を進めます。ストーリーは、まるでミステリー小説のように展開していきます。
主人公は探偵役のハントと、彼のライバルであるダンチェッカー。彼らはそれぞれの得意分野を活かしながらも、反目し合いながら共通の謎に挑みます。論理的で頭脳派のキャラクターたちは、東野圭吾さんの「湯川教授シリーズ」を好む読者には特に楽しめるでしょう。
ハントは、ルナリアンと名付けられた遺体が地球外の存在であるという仮説を支持します。一方、ダンチェッカーは生物進化論的にはルナリアンが地球人類と同じであるべきだと主張します。2人の探偵がそれぞれの仮説を立て、証拠を集めながらも一進一退の状況が続きます。
物語が進むにつれ、ルナリアンの持ち物から文字が解読され、彼らが5万年前に月まで行ける技術を持っていたことが明らかになります。最終的には、2人の探偵が協力し、謎を解明していくという展開です。
まとめ
この作品はSF小説としてだけでなく、ミステリー小説としても十分に楽しめます。ハントとダンチェッカーという2人の主人公を通じて、論理的思考や科学的探求のプロセスを楽しむことができます。さらに、学者たちがどのように証拠を集め、仮説を立て、論証してきたのかを垣間見ることができる点も魅力です。興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。
次作のガニメデの優しい巨人は以下