セレビィ 時を超えた遭遇
評価: 75点
ポケットモンスター、通称ポケモンは1996年にゲームボーイ専用ソフトとして誕生し、赤・緑の2バージョンで発売されてから瞬く間に人気となりました。その後、青・黄色・金・銀と続き、2024年現在でも大人気ゲームとして続いています。
1997年からはTVアニメも放映され、これも人気を博しました。そして1998年には映画『ミュウツーの逆襲』が公開されました。今回取り上げる『セレビィ 時を超えた遭遇』は、2001年7月に公開された映画第4作目です。
ゲームの方では、同じく7月に『ポケットモンスター クリスタルバージョン』が発売されました。
あらすじ(ネタバレ注意)
物語は、森にポケモンスケッチにやってきた少年ユキナリが、幻のポケモン・セレビィと遭遇するところから始まります。同じ森にはポケモンハンターがいて、セレビィを狙っています。ユキナリはセレビィの危機回避能力「時わたり」に巻き込まれ、40年後の未来に飛ばされます。
その40年後、サトシ、カスミ、タケシが訪れた同じ森で、ユキナリが発見されます。セレビィの話を聞いたサトシたちはセレビィを探し出し、仲良くなりますが、ロケット団のビシャスがセレビィを狙って襲いかかってきます。セレビィはダークボールに捕獲され、凶暴化してしまいます。
サトシたちは伝説のポケモン・スイクンの協力を得てセレビィを助けますが、凶暴化の影響でセレビィは死にかけます。すると、時わたりの音と共に、他のセレビィたちが現れ、力を合わせて瀕死のセレビィを回復させます。
ビシャスは捕えられ、ユキナリとセレビィは元の時代に戻り、サトシたちは再び旅に出発します。
感想と考察
この作品から、ポケモン映画の方向性が少し変わります。初期の映画では、ミュウツーやルギア、エンテイといった「かっこいい」ポケモンが主役を務めていましたが、今作ではセレビィという「かわいい」ポケモンが主役となっています。この「かわいい」路線は、2024年現在でも続くポケモン映画の柱となっており、重要な転換点を示した作品でもあります。
また、今作は『E.T.』を彷彿とさせる「ファーストコンタクト」物語として描かれています。E.T.の正体は生物ではなく植物であり、セレビィはくさタイプであり植物を彷彿させる見た目をしている。悪人に追われ、一度は死にかけるが、最終的に元の世界に戻っていくという共通点があります。このストーリー構成は、『E.T.』をベースにポケモンの世界観を乗せたもので、興行収入も39億円と成功を収めました。
『E.T.』は物悲しい結末が話題となり、歴史に名を残しましたが、今作のセレビィはそこまでのインパクトはありません。それでも、ポケモン映画の「かわいい」路線を確立したという点で、ポケモンブランドにおける重要な作品です。
まとめ
『セレビィ 時を超えた遭遇』は、『E.T.』を下敷きにしたポケモンとのファーストコンタクト物語として、平凡ながらも上質なストーリーを提供しています。また、ポケモン映画の「かわいい」路線への転換点となった重要な作品でもあります。そのため、75点と評価しました。