ミュウと波動の勇者ルカリオ
評価: 50点
「ポケットモンスター」、通称ポケモンは1996年にゲームボーイ専用ソフトとして誕生し、瞬く間に世界中で大人気となりました。1997年からはTVアニメもスタートし、1998年には初の映画『ミュウツーの逆襲』が公開されました。今回紹介するのは、2005年7月16日に公開された映画第8作目『ミュウと波動の勇者ルカリオ』です。
この映画と同じ時期には、以下のゲームが発売されています。
- 8月4日 – ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア
- 11月17日 – ポケモン不思議のダンジョン
- 11月17日 – ゲームボーイミクロ ポケモンバージョン
興行成績は43億円
目次
あらすじ(ネタバレ含む)
今回の仲間は、サトシ、タケシ、ハルカ、マサトです。
物語はオルドラン城で開催されるポケモンバトルトーナメントから始まります。サトシは優勝し、英雄アーロンと同じ服を着てパーティーに参加。しかし、ピカチュウたちは別の部屋で遊んでいます。
サトシはパーティーで、かつての波導使いアーロンとその弟子ルカリオの話を聞きます。その時、突如ルカリオが現れ、彼が師匠アーロンに封印されていたことが判明します。
同時に、ピカチュウの前には幻のポケモン・ミュウが現れますが、ミュウがミューラに襲われ、ピカチュウが負傷。ミュウはピカチュウと共に瞬間移動で姿を消してしまいます。
サトシはマサトからその話を聞き、ミュウがいるとされる「世界の始まりの樹」に向かうことを決意。道中でサトシとルカリオは友情を深め、アーロンの足跡を辿る旅を続けます。
「世界の始まりの樹」では、伝説のポケモン、レジロック・レジスチル・レジアイスが立ちはだかり、さらにはポケモン型の白血球にも襲われます。白血球の暴走を止めるためにミュウが奮闘しますが、力が足りず、サトシとルカリオが駆けつけます。
そこで、アーロンがかつて戦争を止めるためにルカリオを封印し、自らは力尽きて結晶化してしまったことが判明します。ルカリオはアーロンを信じなかったことを後悔し、ミュウと力を合わせますが、最終的にルカリオもアーロンと同じく結晶化してしまいます。
白血球の暴走が収まり、サトシたちはピカチュウを取り戻し、「世界の始まりの樹」を後にして再び旅立ちます。
感想
この作品は、サトシとピカチュウが一緒にいない特異な設定で、代わりにルカリオがサトシのパートナーを務めます。また、ミュウやレジロック、レジアイス、レジスチルといった伝説のポケモンも登場しますが、あまり活躍はしません。
全体的に、これまでのポケモン映画とは少し異なる雰囲気の作品です。ルカリオが伝説のポケモンではないにもかかわらず、英雄的な役割を果たす点は興味深いものの、ストーリーはやや平凡で、盛り上がりに欠けます。悪役も中途半端で、何をしたいのかが不明瞭です。
自然破壊や過去の戦争というテーマもありますが、それがしっかりと物語に結びついているわけではなく、全体的にテーマが散漫に感じられます。また、ルカリオの成長物語として描かれるはずだった部分も、十分に掘り下げられておらず、後に公開された「聖剣士ケルディオ」でこの点が改善されました。
まとめ
映画でサトシたちの成長物語を描こうとすると、TVアニメに影響が出るため、ルカリオがその役割を担う形となりましたが、ミュウの登場やストーリー展開がチグハグになり、まとまりのない印象を受けました。結果的に、ポケモンの成長物語としては失敗に終わった感があり、後の作品でリベンジが成功するという土台となった作品です。
そのため、評価は50点としました。
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