ディアルガ vs パルキア vs ダークライ
評価:90点
「ポケットモンスター」、通称ポケモンは1996年にゲームボーイ専用ソフトとして誕生し、瞬く間に世界中で大人気となりました。1997年からはTVアニメもスタートし、1998年には初の映画『ミュウツーの逆襲』が公開されました。今回紹介するのは、2007年7月14日に公開された映画第10作目『ディアルガ vs パルキア vs ダークライ』です。
この映画が公開された時期には、以下のゲームが発売されています。
- 7月20日 – ニンテンドーDS Lite ピカチュウエディション
- 9月13日 – ポケモン不思議のダンジョン
興行成績:50.2億円
目次
あらすじ(ネタバレあり)
サトシ、タケシ、ヒカリの3人は、ポケモンコンテストのために断崖の町「アラモスタウン」を訪れます。そこで出会ったのは、アリス、トニオ、アルベルトの3人。街で起こっている異変の原因は、ダークライというポケモンに関係していると聞かされます。
その後、サトシはダークライによって悪夢の中に落とされますが、目を覚まします。しかし、ダークライと街の人々との対立は続き、トニオとアリスはダークライを信じて、別の原因を探します。一方、アルベルトは街の人々と共にダークライと戦いますが、結果的にポケモンたちは次々と悪夢を見せられ、苦しむことになります。
トニオが突き止めたのは、異変の原因がダークライではなく、パルキアが街に現れたことでした。その後、ダークライがパルキアを攻撃し、隠れていたパルキアは姿を現します。さらに、パルキアを追ってディアルガも街に現れ、壮絶な戦いが始まります。
この戦いを止めようと奮闘するダークライ。しかし、ディアルガとパルキアの激しい戦いによって街が崩壊し始めます。そこで、トニオとアリスの祖先が残した「時空の塔」の音楽が、2匹の怒りを鎮めることができると判明。無事に音楽を奏で、パルキアとディアルガの戦いを止めることに成功し、サトシたちは再び旅立ちます。
ダークライの物語
タイトルには「ディアルガ」と「パルキア」が書かれていますが、この映画の本当の主役は「ダークライ」です。彼はダークヒーローとして登場し、アリスの祖母に看病された恩を返すために、街の危機を未然に防ごうとします。しかし、街の人々には誤解され、孤独に戦う姿は仮面ライダーのようなダークヒーローを彷彿とさせます。
ダークライの姿が多くのファンの心をつかみ、彼の登場するこの映画は再上映リクエストが多い作品の一つとなっています。また、アルベルト男爵がベルベルトに変身するシーンは、コミカルで子供にも人気が高く、街の異変に気づかせる導線としても秀逸です。
監督の視点とダークライ
この映画は、ダークライが監督の「分身」とも言える存在だという見方もあります。アリスの祖母が理解者でありながら、孫のアリスはダークライを理解できないように、監督もまた自分の作品が観客に受け入れられない苦悩を抱えているかのようです。ダークライが街を守ろうとする姿は、監督がポケモン映画に情熱を注ぐ姿勢を映し出しているように感じられます。
まとめ
『ディアルガ vs パルキア vs ダークライ』は、壮大なバトルシーンやコミカルな演出が見事に融合した作品です。特に、街の階級社会を背景にしたコミカルな描写や、ダークライの孤高のヒーローとしての魅力が際立ちます。また、監督自身の姿をダークライに投影したかのようなテーマも見逃せません。そんな深みのあるこの映画に、90点という高評価を付けました。
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