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ビクティニと黒き英雄ゼクロム・白き英雄レシラム
評価:91点
「ポケットモンスター」の人気シリーズ第13作目であるこの映画は、2011年7月16日に公開され、43.3億円の興行収入を記録しました。今回の作品は「ビクティニ」を中心とした物語で、登場キャラクターはサトシ、アイリス、デントと新たな仲間たちです。シリーズとして珍しい試みとして、同じストーリーながら、「ゼクロム」と「レシラム」が主役の2本が同時公開されました。どちらも物語のテーマやキャラクターの行動には共通点があるものの、それぞれの伝説ポケモンが異なる視点から描かれています。
あらすじ(ネタバレ含む)
サトシたちは、大地の剣と呼ばれる城を中心とした街「アイントオーク」に訪れます。ポケモンバトル中に、サトシのポケモンが突然強くなる現象が起こり、それがビクティニの力であるとカリータから知らされます。サトシたちはビクティニと友達になり、街の不思議な封印や、ビクティニが護りの柱の封印に縛られていることを知ります。
一方で、カリータの兄ドレッドは、大地の剣を動かし、かつて豊かだった大地を再び緑豊かにするための計画を進めていました。その目的にビクティニの力を利用します。しかし、ドレッドの行動はかえって大地の地脈を乱し、緑を失わせる結果になってしまいます。それは過去に大地の剣を動かした理由が伝わっていた事と違ったためでした。大地の剣が動いたから地脈が乱れ緑が失われたと考えられていたが、真実は地脈が乱れて緑が失われてから大地の剣が動いたのでした。サトシたちはドレッドの誤解を解き、ビクティニを助け出し、乱れた地脈を整えるために大地の剣を元に戻します。最後にビクティニも解放され、街に平和が戻ります。
真実と理想の対立
今作のメッセージの中心は「真実」と「理想」のテーマです。
ビクティニを中心にしたストーリーは同じですが、映画によってドレッドが協力を求める伝説のポケモンが異なります。一方の映画では「真実の勇者」レシラムが、もう一方では「理想の勇者」ゼクロムが登場し、ドレッドを助けます。しかし、ドレッドの行動はどちらのポケモンと組んでも結果的には失敗し、大地の地脈が乱れてしまうのです。
真実と理想の葛藤
- 真実: 作中で示される「真実」とは、大地の剣を動かすことで地脈の乱れが整ったが、緑が失われてしまった事実。
- 理想: 枯れ果てた大地を再び緑豊かにしたいという願いです。
- 事実:大地の剣が動いたこと、枯れた大地の存在、そして剣が刺さる街が他の場所よりも緑豊かであることでした。。
真実を知ろうとすれば事実により理想が否定され、理想を追求すれば事実が真実を知らせ否定される――この葛藤が彼の中で繰り返されます。もし真実を知り行動を止めてしまえば理想は実現できず、理想を掲げるだけでは真実にたどり着けないのです。
結果的に、どちらを選んでも問題は解決しません。しかし、ドレッドは「行動する」ことで、結果としてビクティニを解放し、枯れた土地を緑豊かにする未来へと繋げました。レシラムやゼクロムが手を貸してくれたのも、彼が行動したからこそです。
まとめ
ポケモンとしてはレシラム、ゼクロム、ビクティニが上手く活躍しカッコいい伝説ポケモンの姿に可愛いビクティニの姿が見る事が出来ます。
また、2作に分かれており間違い探しのようにポケモンの色が違ったり、場面反転があり。
親子で何処が違うのかを探してみるのも楽しみ方の一つです。
ドレッドの信念が真実と理想と違いがあるのに行動と結果が変わらない事から、真実を知る事も理想を語る事も大切であるが、一つだけでは足りず。
真実も理想も大切であり、さらに行動する事も合わせる必要があるとメッセージが読み取れます。
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