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『光輪の超魔神 フーパ』
公開年:2015年
興行成績:26.1億円
評価:82点
あらすじ
『ポケットモンスター』シリーズは1996年に誕生し、1998年には映画第1作『ミュウツーの逆襲』が公開されました。本作『光輪の超魔神 フーパ』は、2015年7月18日に公開されたシリーズ第18作目です。
登場人物
- サトシ、シトロン、セレナ、ユリーカ
- 主役:フーパ
物語の流れ
フーパは、バルザとメアリという兄妹と共に旅をしているポケモンです。ある日、フーパの力を使って物を取り寄せようとした際、デセルシティを目指していたサトシとピカチュウを間違えて呼び寄せてしまいます。これをきっかけにフーパはサトシたちと友達になります。
力の封印と過去
楽しい時間も束の間、兄のバルザが戻ってきて、持っていた壺の蓋を開けると、フーパが突然苦しみ出し、大きな姿に変身します。メアリは喜びますが、すぐにフーパは暴れ始め、バルザが壺を向けることで小さな姿に戻ります。
実はフーパには過去の事件がありました。
かつてデセルシティで力を誇示し、伝説のポケモンをも巻き込む騒動を起こしたことで、バルザとメアリの祖父によって壺にその力が封印されたのです。フーパは、その力が暴走しないよう、小さな姿で生きてきました。
再び力の暴走
ところが、壺を横取りしたロケット団が蓋を開け、さらに壺を壊してしまいます。その結果、長い間封印されていた事でフーパの力が自我を持ち、フーパの体を乗っ取ろうとします。小さなフーパはその力を拒絶し、拒絶されたことでフーパの力が「大きなフーパ」として仮の姿を実体化させてしまいます。
大きなフーパは完全な体を手に入れるため、小さなフーパを追いかけます。サトシとフーパは逃げながら時間を稼ぎ、バルザとメアリが壊れた壺を修理するため奔走します。
サトシとフーパの絆
サトシはフーパに「その力も自分の一部なんだから、仲直りできるはずだ」と語りかけます。フーパはその言葉を胸に、大きなフーパと対峙します。最終的に、壺が修復され、封印は再び成功しますが、小さなフーパはサトシの言葉を思い出し、自ら大きなフーパと向き合う決意をします。
フーパの言葉は大きなフーパに届き、2つの力は一体化して1つの存在となります。騒動が収まった後、フーパは新たな力を使って壊れた街を修復し、物語は平和な結末を迎えます。
作品のテーマと特徴
1. 主役はポケモン・フーパ
サトシたちがサポート役に徹しているため、フーパの視点で物語を追うことでより楽しめる作品です。フーパは、力の使い方や自己との向き合い方を通じて成長していきます。
2. ドラゴンボールとアラジンの要素
フーパは『ドラゴンボール』の「魔人ブウ」を彷彿とさせます。力の暴走、封印、悪い感情の実体化、最後に良いフーパが残る展開はよく似ています。また、アラビアン風の服装や魔法の壺という設定は『アラジンと魔法のランプ』を思い起こさせます。
これらを融合させ、ポケモンならではの童話的な冒険物語として再構築した点が興味深いです。
3. 伝説のポケモンの大活躍
今作の大きな魅力は、数多くの伝説ポケモンが登場し、バトルを繰り広げるシーンです。特にレックウザ、ラティアス、ラティオスの活躍は圧巻で、迫力満点の戦闘シーンが楽しめます。
まとめ
『光輪の超魔神 フーパ』は、ポケモン映画として伝説のポケモンたちの大バトルを楽しめる一方で、フーパというキャラクターの自己成長と和解の物語でもあります。ドラゴンボールやアラジンといった名作の要素を上手く取り入れ、童話的な世界観で仕上げた点が特徴です。サトシたちはあくまでサポート役に徹し、主役であるフーパの成長を描いているため、フーパ目線で物語を追うことでより楽しめます。
伝説ポケモン同士のバトル、フーパの成長、そして童話風の展開が融合した本作は、子どもから大人まで楽しめる作品です。
評価:82点
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