キュレムVS聖剣士ケルディオ
公開年:2012年
評価:85点
目次
あらすじ
ポケモンシリーズ第14作目として、2012年7月14日に公開された『キュレムVS聖剣士ケルディオ』。この作品では、サトシ、デント、アイリスが登場し、彼らは聖剣士を目指すケルディオと出会います。
ケルディオは聖剣士の称号を得るため、コバルオン、テラキオン、ビリジオンの3匹から修行を受けていましたが、未熟ながらもキュレムに挑戦しようとします。3匹に止められたにもかかわらず、ケルディオは独断でキュレムに挑み、圧倒的な力に恐怖して逃げ出してしまいます。キュレムに追われている中でサトシたちと出会い、彼らの助けでキュレムから逃れながらも、次第に彼らの友情と勇気に触れて成長していきます。
最終的に、ケルディオは再びキュレムに挑みますが、今度は勝利を目指すのではなく、自分の恐怖に打ち克つことを目指します。結果としてキュレムに敗北しますが、その覚悟を認められ、4匹目の聖剣士として旅立つことが許されます。
本作の特徴
本作は、ポケモンシリーズで初めて「ポケモンのみが主人公」という構成になっています。
それは、テレビアニメではサトシたちは成長していますが、映画では成長しないまま描かれることが多いです。しかし、映画には成長物語が求められます。この矛盾を解消するため、過去の作品ではゲストキャラクターを登場させて彼らを成長させることで物語を完成させるためです。
ケルディオの成長を描く物語で、友人となるサトシたちの協力で成長し、自分の信念を持つことの大切さを学びます。ケルディオは、勝利を求めて挑戦するのではなく、勇気と覚悟を持って立ち向かうことが真の強さであると理解するのです。この「勝利よりも信念を貫く成長」が本作の大きな魅力です。
また、ケルディオと聖剣士たちの関係は「親子」にも例えられます。ケルディオは師匠たちの保護を離れ、友情を通じて自身の力で成長していきます。これによって「親が心配してもしなくても、子どもは成長していく」というメッセージが伝わります。
メッセージと評価
本作では、最後に勝つことだけが成長ではなく、「負けることを認め、信念を持って立ち向かうこと」も大切だと示しています。ドラえもんやアンパンマンなどの子ども向け作品が「勝利」を描くのに対し、本作は異なる角度から成長を描く点が印象的です。また、サトシたちもケルディオの成長を支える脇役として存在しており、物語を盛り上げる大きな役割を果たしています。
今作は、子どもが自分の成長を重ね合わせて見られ、親は子どもの成長を重ねて観られる作品です。バトルシーンも見応えがあり、キュレムとの対決シーンはファンにとっても楽しめる内容です。
このように、勝利よりも信念や覚悟を描いた本作を、85点と評価しています。
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